「コールドケース」はアメリカ版『おみやさん』で、人物の今昔がぱちっぱちっと入れ替わるところがハリウッド的である以外、たいして面白くないと
以前に書いたと思うのですが、昨夜の回は大変面白かったのです。
というのは、アメリカでは時効はないので65年前の殺人事件でも裁けるからなのです。
65年前に起きた事件というのは、私娼窟にほど近い場所に住む黒人美女が被害者の強姦殺人。当時は客の一人の仕業と見なされて迷宮入り。
ところが
65年後、母の遺した言葉をヒントに孫のキャリアウーマンが事件の真相究明に乗り出します。
依頼された警察もちゃんと動くところがすごい。遺体発掘までするのです。
お金がかかるので許可が下りるまでは大変ですが、とにかくちゃんと証拠がそろえばやる。
こういうところがこの国の強さなのだと納得させられました。風化させない、正義は徹底的に追及し、悪は許さない、と―。
結果、以下のような真相がわかりました。
1、ハル・ベリーばりの美女にいい寄っていた白人の若者がいて、彼は彼女の娘の顔写真―娘は白人と 見間違う白人系の美女の母親と違って、肌の色が黒い―を
見るまで自分の真意に気づいていなかったのですが、その写真を見て自分は娘のめんどうまではみられないと悟ります。
美女の方もまた悟ってしまいます。この人はわたしを愛していない、寝たいと思っているだけ―…と。
彼女は客をとっていたわけではなく、安いので私娼窟近くに住んでいただけなのでした。
ただ美人なのでなにくれと世話を焼きたがる男たちは白人黒人問わずいましたが…。
2、折しもプライド高く貞操堅固な彼女を生意気だとののしり、ものにしたいという男たちがいたのですが、これらは白人の若者の仲間でした。
仲間たちが彼女の輪姦を計画していると知った彼は、一足早く逃げようと持ちかけますが、子どもが帰っていないので逃げられないと拒んでいるうち
に、仲間たちが押しかけ輪姦がはじまりかけてしまい、男は彼女の口を塞ぐ役をかって出て結局窒息死させてしまいます。
男の心理はこれ以上彼女を汚させないためであったろうとは思いますが、遺される子どものこと、遺していく彼女の思いを考えるとやはりひどいことです。
しかしこれほどこの時代は"黒い"ということが、悪と見なされ石つぶてを投げられたのだなと改めて納得させられました。
こうした肌の色に関わる問題は、日本の封建時代、身分制度に匹敵するものなのかもしれないと思いました。
時代小説に不可欠なのが身分制度なのだとすると、これはアメリカの時代小説の舞台なのです。
西部劇ではなくカラーがアメリカの時代小説の基本だったのですね。
