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 和田のひとりごと 

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「コールドケース」を再び見る 2005/09/30

 「コールドケース」はアメリカ版『おみやさん』で、人物の今昔がぱちっぱちっと入れ替わるところがハリウッド的である以外、たいして面白くないと 以前に書いたと思うのですが、昨夜の回は大変面白かったのです。 というのは、アメリカでは時効はないので65年前の殺人事件でも裁けるからなのです。

 65年前に起きた事件というのは、私娼窟にほど近い場所に住む黒人美女が被害者の強姦殺人。当時は客の一人の仕業と見なされて迷宮入り。
 ところが 65年後、母の遺した言葉をヒントに孫のキャリアウーマンが事件の真相究明に乗り出します。 依頼された警察もちゃんと動くところがすごい。遺体発掘までするのです。
 お金がかかるので許可が下りるまでは大変ですが、とにかくちゃんと証拠がそろえばやる。 こういうところがこの国の強さなのだと納得させられました。風化させない、正義は徹底的に追及し、悪は許さない、と―。

結果、以下のような真相がわかりました。

1、ハル・ベリーばりの美女にいい寄っていた白人の若者がいて、彼は彼女の娘の顔写真―娘は白人と 見間違う白人系の美女の母親と違って、肌の色が黒い―を 見るまで自分の真意に気づいていなかったのですが、その写真を見て自分は娘のめんどうまではみられないと悟ります。
美女の方もまた悟ってしまいます。この人はわたしを愛していない、寝たいと思っているだけ―…と。
  彼女は客をとっていたわけではなく、安いので私娼窟近くに住んでいただけなのでした。 ただ美人なのでなにくれと世話を焼きたがる男たちは白人黒人問わずいましたが…。

2、折しもプライド高く貞操堅固な彼女を生意気だとののしり、ものにしたいという男たちがいたのですが、これらは白人の若者の仲間でした。
仲間たちが彼女の輪姦を計画していると知った彼は、一足早く逃げようと持ちかけますが、子どもが帰っていないので逃げられないと拒んでいるうち に、仲間たちが押しかけ輪姦がはじまりかけてしまい、男は彼女の口を塞ぐ役をかって出て結局窒息死させてしまいます。

 男の心理はこれ以上彼女を汚させないためであったろうとは思いますが、遺される子どものこと、遺していく彼女の思いを考えるとやはりひどいことです。
 しかしこれほどこの時代は"黒い"ということが、悪と見なされ石つぶてを投げられたのだなと改めて納得させられました。 こうした肌の色に関わる問題は、日本の封建時代、身分制度に匹敵するものなのかもしれないと思いました。

 時代小説に不可欠なのが身分制度なのだとすると、これはアメリカの時代小説の舞台なのです。 西部劇ではなくカラーがアメリカの時代小説の基本だったのですね。

  

「女王の教室」最終回 2005/09/18

 「女王の教室」にというよりも、これは天海祐希にはまったという、いわくいいがたい、もう何十年かぶり、「白い巨塔」の田宮二郎演じる財前五郎にはまって以来の感動です。 わくわくして人生がやや楽しくなってきました。若返ったような気さえします。
自分がなりたいと思えるヒーロー、ヒロインがいるのはいいものですね。

 といって他の天海さんのものを見るかというそうではなくて、阿久津真矢を演じる天海祐希ということになります。 それだけにはまると深いという気はしています。田宮財前の時もそうでしたから―…。
どうやらわたしはマンガ的なだけのバットマンの敵役ではない、やや陰影のある悪役、実は生き方に筋が通っている、というのが熱烈に好きなようです。
阿久津先生の場合は文句なく、真の教師ですが、財前だって彼なりの使命感、医学への思いはあるわけなのです。

 けれどもこういうヒーローは少なくなっていて、なかなかめぐりあえなかったのです。 今回天海女王に遭えたのはまさに奇跡でした。
それにヒーローではなく同性でヒロインですから、なおさらです。ヒロインでもこの手のものが演じられる、というのには時代を感じさせます。

  時代といえば、今回の選挙でマドンナがたくさん出ましたが、なぜか彼女たちになりたいとは思わず、目立つし美形だし、ちやほやされるし、たいていの男がなりたいと 一度は思う国会議員だし―…とプラス面をあげてみたにもかかわらずです。
まあ、わりに骨っぽい片山さつきさんにしても「総理の小泉さんがそうおっしゃるなら」なので、天海女王とは似ても似つかず、きゅっと心が伸縮してかーっと身体が熱く なるような感動はわきません。
わたしは人生はこの手の感動が一番大事だと思っているのです。 自分で決めて自分の命を賭けて取り組む姿勢です―…。
皮肉なことに今回選挙でこれがあったのは小泉さんだけだったのかもしれません。
となると小泉さんも田宮財前、天海女王と並ぶ、小泉信長なのかもしれませんが、それほど好きにはなれません。
だってこの手のヒーローはアウトサイダーだからこそ格好いいのです。

  

「容疑者 室井慎次」 2005/09/09

 前作の『交渉人 真下正義』が面白かったので見てしまったのですが、これは横山秀夫ワールドの亜流であまり感心しませんでした。

  特に気になったのは、警察内部の隠然としつつ熾烈なポスト争いと、湾岸署の署長以下の例の3人トリオ、哀川翔のやさぐれ刑事とが一つの作品の中で全く噛み合っていないところです。 儲け主義の東大出の若き弁護士にいたっては、このキャラの設定にセンスがゼロで子どもだましではなかろうかと疑うほどです。
もう少しといわず絶対にこのキャラは俊敏で冷徹、そして 男前であるべきです。 柳葉の室井を際立たせるためでしょうが、これでは興ざめです。 こんなやつがやり手の弁護士であるわけがないと思ってしまい、以後の展開が面白くなくなるのです。

これは犯人のキャラについてもいえることでした。
ようは3人トリオややさぐれ、弁護士、犯人が思いつきの付け足しでお愛想とはっきりわかってしまって、白けてしまうのです。 ですからほとんど仕立ては流行の横山秀夫であるわけです。 ですが、横山ならなにも映画にすることもないので、テレビで充分なのです。
柳葉敏郎の室井も寡黙なのはいいのですが、たとえば寺尾聡のようなおもむきも情感もなくて、単にダサイ人で終わりなのです。 最後の方は何でこの人が主役なのか疑問でした。
お涙頂戴の過去の恋愛―世界の中心で愛を叫ぶのような悲恋―もげんなりでした。

  今回は柳葉が主役とあって危惧はしていたのですが、当たりました。彼の部下のエリートは『警察にいなければいけない人』と持ち上げますが、どうでしょうかね、少なくとももう ゛踊るシリーズにはいてほしくない人"です。
もっとスリリングでテンポのいい『踊る』を見たいです。
今後横山ワールドには侵入しないようフジテレビにご進言申し上げる次第です。
多少救いのあったのは田中麗奈でいい演技とはいえないまでも、熱演で好感が持てました。 やたら全速力で走っている姿が好ましく、CMにばかり出ずに女優として頑張ってほしいと思います。