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 和田のひとりごと 

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「プロフェッシー」 2005/04/30

 これはテレビ東京系でオンエアされていた、リチャード・ギア主演のライトなホラー映画です。
一言でいってしまうと、モースマン―蛾男をみたり、話をした者は必ず死ぬ、というお話。
リチャード・ギアはモースマンを見て脳腫瘍に罹り死んだ妻の思い出を抱きしめる、ワシントンポストの記者という設定です。

ホラーなのでついつい最後まで見てしまいましたが、「これは何なの?」といいたくなるような、思わせぶりたっぷりのくせに、何の面白みも意外性もない筋立てでした。
中途半端に出てくるモースマンも話をしたりして、滑稽なだけ。全編通じて怖さはゼロで、あるのは退屈ばかりです。
橋が落ちて渋滞していた車が次々河に落ちていくシーンのみ鮮烈に感じられましたが―…。

とはいえ、ほどなく納得しました。
これはリチャード・ギアを引き立てるためのホラー装置なのです。あの『ドクターなんとかと13人の美女』と同じなのです。 そして古代ものや東洋思想が好きなリチャード・ギアの趣味で、雰囲気ホラーの小道具としてモースマンが配されているのです。
亡き妻への思い出に生きるという、純情中年記者の設定は、おそらくギア様ファンへのサービスメッセージなのでしょう。

ファンクラブに捧げる映画なのでした。

  

「ブリジット・ジョーンズの日記2」 2005/04/22

 「ブリジット・ジョーンズの日記2」を見ました。
 1はビデオを見たのですが、レニー・ゼルヴィガーの魅力全開で魅せられ、今回の2は劇場へ足を運んでしまいました。 悪くなかったですよ。

 キューティー・ブロンドなんかにもいえることで普通2は1に比べてずっとつまらないものなんですが、そうでもなかった。 やはりレニーの魅力に尽きます。 白くてむちむち太めで健康的なセクシーガールでとにかく可愛い。
  時流のブラックイズビューティーはスレンダーですから、それ一色になりかけると、さしものスノッブなハリウッドも、対極のレニーでほっとしたくなるのかもしれません。
 マーク役の男優もすてきになっていましたし。
  ただ女たらしのヒュー・グラントは気の毒なくらい老けましたね。もう女たらし役はやらぬ方が身のためでしょう。 これからは堅めの時代もの、しかも渋めのわきをやってほしいものです。

 それとこれは英国が舞台なのですが、めずらしく暗くないイギリスで好感が持てうれしくなりました。
  英国が舞台というと、ルース・レンデルのジョージ・べーカーの『ウェックスフォード警部もの』をはじめ、ミステリーのせいもあって、めちゃめちゃ暗いので、中身はいいのですが、 何となく敬遠することが多くなりました。 明るいイギリス映画とレニーの今後の活躍に期待します。

  

「コンスタンティン」 2005/04/16

 これは朝のワイドショーで紹介されていた、本日封切りのホラー映画です。
来日していたキアヌ・リーブスが主演ですが、とりたてて彼のファンというわけではありません。デビューしたての頃の『ビルとテッドの地獄旅行』がホラーコメディなので、 キアヌといえばホラーの印象なのですが、『スピード』、『マトリックス』などのアクションスターでもあるんですね。

 この「コンスタンティン」は、キアヌ扮するジョン・コンスタンティンというエクソシストが肺がんで余命一年といわれながら、地獄の悪魔たちと対決していく話です。 「ヴァン・ヘルシング」を思わせる、魔物、怪物ぞろぞろのコミックな運びですが、ダークなイメージのキアヌのコンスタンティンが存在するだけで、何とも魅力的な映画になっていました。
キアヌは黒いスーツが似合う長身、黒髪と、物憂げで優しく哀しい、切れ長の東洋的な目がいいです。上手い人でもあって、トム・クルーズ、レオナルド・ディカプリオと並ぶ、二枚目演技派なのだと感心しました。

 それから感じたのはこの映画の背景には、例のベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』があるのではと思いました。
『ダ・ヴィンチ・コード』はトム・ハンクスで映画化されるようですが、正直いって、大ヒットするとは思えません。 魅力が映像で表現できるものではないから本になって売れたわけで、それを映像にするとかえって平凡なものになってしまうからです。―聖杯をめぐる、ある歴史学者の冒険―そんなところですもの。
それで全世界的にメジャーな聖書もの―キリストと神と天使や悪魔の存在―をもっと面白くメッセージしようと試みたのが、ホラーという枠組みで、キアヌという主演者で、この『コンスタンティン』であったわけです。

 そしてこの先、スピルバーグとトム・クルーズが組む『宇宙戦争』をはじめ、「シックス・センスを超える」というキャッチのもとに製作された、ロバート・デニーロなどが助演するホラー物が、続々と上陸してくるとのこと、 ハリウッドは一度衰えたホラー人気にてこ入れしようとしていると見ました。
まずはお手並み拝見というところですが、正直いって、『羊たちの沈黙』で受けた衝撃以上のものがメッセージされ得るとは思えません。 『コンスタンティン』にしても、たしかにキアヌはすてきだけれども、ようは『エクソシスト』三部作、『オーメン』、『Xファイル』……数え上げたらきりがない作品からのいいとこ取りなのですから……。

 テクニックではなく、真に怖いホラーに遭遇したいもので、そう考えると、『リング』を生んだ日本の土壌もまだまだ捨てたものではないと思えるのです。
わたしも一ホラー作家として可能性を信じ頑張りたいと思っています。

  

「9000マイルの約束」 2005/04/04

 WOWOWで『9000マイルの約束』をみました。
これは2001年につくられたドイツ映画です。五味川純平の『人間の条件』ドイツ版といった内容ですが、主人公はシベリアに果てず、9000マイルをほとんど歩いて家族のもとに帰り着くという話です。

 この話はフィクションではなく実話でもあります。
日本でも戦争映画がたてつづけにつくられていますが、戦争に巻き込まれた個人の悲劇についてのものは忘れられています。
この手のものも思い出してもらいたいものだとふと思いました。
ただし悲劇性ばかりを追求せず、―五味川の『人間の条件』はそうなのでとてもとても暗いし、侵略国家日本は大悪党という表現が今やアナクロです―、 戦争の中で人としてどうあるかを描いてほしいと思うのです。

 たとえばこの映画で主人公のドイツ兵はシベリアから逃げる途中、モンゴル系部族などさまざまな人たちに助けられます。 その中には収容所で兄弟を殺されたユダヤ人もいるのですが、追跡してきたソ連兵に尋問されると「人としてどんな相手でも助ける」といい切るのです。
 これにもっとも感動しました。こういう感動を日本の映画でも味わいたいものだと思いました。
  中国人、あるいは朝鮮人、またあるいは東南アジアの国々の人が、敗戦国の日本人をきびしい取り締まりの中、助けた話―ないことはなかったはずですし、 ドイツにしてこの手の話が語られるようになったのですから、日本でも―と思わずにはいられません。