これはわたしの敬愛する高村薫さんの原作ドラマです。
いわゆる政治家もので、後援会長の父親が大物政治家の収賄の罪を被って逮捕され、刑事の職を失った主人公はその大物政治家の運転手に雇われ、
復讐の機会をうかがっているという設定のもとに、事件が起きる―…という話です。
役者がよかった順にいうと以下のようになります。
1、大物政治家の神山繁
ちょっと田中角栄に似ていました
2、元刑事の運転手の阿部寛
高倉健がやりそうな役所、明るい感じがする顔なのでドラマの暗い情緒を救っていました、高村作品といえば切れ長の目の中井貴一でしたから、
時代が変わったのでしょう、あまりぴったりイメージが合わない方がいいような気がします。
3、秘書で大物政治家の隠し子の渡辺えり子
ほんとうはこの人が主人公でもいいような話です、この人はこういうドラマに映えます、なぜかというと阿部寛同様、暗さが緩和されるから
です。
けれども暗さが緩和された段階でもう高村作品が変質してしまっていることも事実です。
それとこれは高村作品でもそうなのでしょうが、ラストはどうかなと思います。
甘い救いのある終わり方……。
それから金で償いを終えようとするところ……。
何かねえー。
母親に金をやって自分は女と気楽にやりなおし―…というのは安直ですよ。田舎暮らしをしようという下りも突然メルヘンです。
高村さんの文章とか描写、感性は好きなのですが、こういうところがどうもしっくりこないのです。
たいして好きではないけれど、こういうところに着地しない、非常に非情な横山秀夫作品の方がラストはしっくりくるんです。
ま、横山秀夫も『半落ち』になると、メルヘン入ってきて、泣きになるんですけどー…。
長編というのはそうならざる得ないのかもしれませんね。
和田はこのところ、自分の資質と相反するものばかり見すぎている気がしてきました。
といって、これだ!!というものはなくて―……。
